がん検診について
現在日本では、5種類のがん検診(胃がん検診・大腸がん検診・子宮頸がん検診・乳がん検診・肺がん検診)を対策型検診として実施しており、福岡市でもがん検診を行っております。当院はこの実施医療機関として登録されており、「胃がん健診」と「大腸がん検診」を行っております。対象の方は行政から検診のご案内が届くようになっておりますので、お手元にご案内をお持ちで、どこの医療機関で受けるかご検討されている方がいらっしゃいましたら、当院までお気軽にご相談ください。
福岡市の部位別がん死亡者数
全体 | 男性 | 女性 | |
---|---|---|---|
1位 | 肺 | 肺 | 肺 |
2位 | 大腸 | 大腸 | 大腸 |
3位 | 胃 | 胃 | 膵臓 |
4位 | 膵臓 | 肝臓 | 胃 |
5位 | 肝臓 | 膵臓 | 肝臓 |
福岡市のがん検診の受診率データ
福岡市の死亡者数の内、最も多くを占める死因が「がん」です。その中でも、胃がん・大腸がんによる死亡者数は男女ともに上位を占めています。この胃がん・大腸がんは早期発見と早期治療により、治すことができる病気です。しかし、治療が可能な早期の段階には自覚症状が見られないことが多く、結果として病院を訪れた際には既に手遅れ状態であるということが多々あります。
そこで、自覚症状のない早期のがん発見を促進するため日本国内の各自治体は、がん検診を実施しております。地域により、検診内容や対象年齢が異なりますので、まずはご自身の自治体HP等から詳細をご確認ください。
福岡市では、胃がん検診、大腸がん検診、肺がん検診、乳がん検診、子宮頸がん検診、前立腺がん検診を行っております。宮本医院では、胃がん検診、大腸がん検診、前立腺がん検診を実施しておりますが、今回は胃がん検診、大腸がん検診についてご説明いたします。
ご自身や大切な人の為にも、定期的ながん検診をしっかりと受診しましょう。
※福岡市のがん検診について詳細は【こちら】からご確認ください。
胃がん検診について
下記の症状やお悩みがある方は、胃がん検診を受診しましょう
- 食欲がない状態が続いている
- 過度の食事や飲酒をしている自覚がある
- 毎日の食事バランスが整っていない
- 胃もたれがする
- ずっとお腹が膨れている
- 胸焼け
- げっぷが増えた
- 便潜血検査で陽性判定された
- なんとなく不安を感じている
福岡市では、50歳以上の市民の方を対象に胃がん検診を行っております。
胃がん検診では、「胃カメラ(上部内視鏡)検査」あるいは「胃部X線検査」を行います。
また、画像検査に加えて血液検査で行う胃がんリスク検診というものがあります。これば胃がんになりやすい人を拾い上げる検査です。ヘリコバクター・ピロリ菌の感染の有無と胃の消化酵素ペプシンの前段階のペプシノゲンの分泌量を測定するのですが、ざっくり言うと、①胃がんの94%はピロリ菌に感染していた。②胃がんは消化酵素が出せなくなった弱った胃からたくさん発生していた。という2点の研究結果を元に、これらを測定することによって将来の胃がんへのかかりやすさを見る検査です。ちなみにピロリ菌がいなくても胃がんにならないわけではありませんが、圧倒的にピロリ菌感染者の方が胃がんになりやすいのです。福岡市では35歳と40歳になる年度の方が対象者です。ピロリ菌検査は成人になってからの感染がほとんど無いため生涯で1度検査をすれば十分と言われています。血液検査でわかるので、ぜひ受けていただきたいと思います。
当院では「胃カメラ(上部内視鏡)検査」による胃がん検診を実施しております。胃カメラ(上部内視鏡)検査では、食道・胃・十二指腸の粘膜を内視鏡で直接観察し、がんの疑いがみられた場合は組織を採取し、さらに詳細の観察が可能な検査となっております。
胃カメラ(上部内視鏡)検査
福岡市在住で令和4年4月1日~ 令和5年3月31日の間に偶数年齢になる 50歳以上の人(50、52、54歳以降同様)
胃カメラ(上部内視鏡)でわかる病気
- 食道がん
- 胃がん
- 十二指腸がん
- 逆流性食道炎
- 胃潰瘍
- 十二指腸潰瘍
- 胃炎
- 胃ポリープ
- 十二指腸ポリープ
- ピロリ菌感染
- アニサキス症
など
胃部X線検査(バリウムによる胃透視)
福岡市在住で40~69歳の方(70歳以上の方はバリウムの誤飲や透視台からの転倒など安全面を考慮し、胃カメラ検査を推奨しております)
受診頻度
- 胃カメラ(上部内視鏡)検査は2年に1回
- 胃部X線検査(バリウムによる胃透視)は1年に1回
対象者
対象者に関して詳しくはこちらをご確認ください。
費用
胃カメラ(上部内視鏡)検査
費用(税込) | |
---|---|
医療機関 | 1,800円 |
健康づくりサポートセンター | 1,800円 |
※対象者全員に上記費用が適用されます。ただし、満70歳以上の方の場合、無料となります。
※当院では鎮静剤希望の方には別途薬剤料および麻酔管理料として1,500円をいただいております。
胃部X線検査(バリウムによる胃透視)
費用(税込) | |
---|---|
医療機関 | 1,800円 |
健康づくりサポートセンター | 600円 |
市の施設等 | 600円 |
※40~69歳の方に上記費用が適用されます。ただし、満70歳以上の方の場合、無料となります。
検診制度での胃カメラ検査における注意点
異常所見があった場合
観察で異常な所見が見つかった場合、組織検査を行います。組織検査は保険診療で行われることとなります。
鎮静剤の使用
当院では鎮痛剤を使用し、ウトウトと眠った状態での胃カメラ検査を実施することができます。鎮痛剤を使用することで、内視鏡スコープを挿入する際に「オエッ」となる咽頭反射が起こりにくく、お腹の圧迫感などの痛みや苦しさを軽減して検査を受けていただくことができます。鎮静剤をご希望の場合、薬剤料、麻酔管理料として別途1,500円をいただきます。
当院の胃カメラ検査の特徴
専門医による胃カメラ検査の実施
当院では日本消化器内視鏡学会専門医・指導医である院長が胃カメラ検査を行っております。これまでに豊富な経験から培った高度な技術や知識から、苦しさや痛みの少ない質の高い胃カメラ検査を行っております。検査から結果説明まで丁寧に行っておりますので、初めての方や過去の胃カメラ検査から苦手意識を持たれている方も安心して検査を受けていただけます。
苦痛の少ない検査
鎮静剤(静脈麻酔)を使った苦しくない検査を行なっております。内視鏡検査を躊躇する理由に挿入時の苦しさがあります。鎮静剤を使って眠った状態で検査をすればほとんど苦しさを感じずに検査を受けることができます。
「おえっ」が少ない鼻から入る経鼻内視鏡も行なっております。
経鼻内視鏡検査
当院では、胃がん検診において鼻から内視鏡スコープを挿入する経鼻内視鏡での検査をお選びいただくことが可能です。経鼻内視鏡検査では鼻からスコープを挿入することで、舌の付け根部分に触れる事がないため、従来の口からの胃カメラ検査でよく見られる咽頭反射を引き起こしにくくなります。
鼻腔が狭い方は痛みを感じたり、鼻から出血することがあるので、ご不安な方は医師にご相談ください。
検査後の詳しい説明
胃カメラはがんのあるなしだけを見る検査ではありません。特に当院では分子栄養学に基づいた食の重要性、そして胃の消化力を重視しています。「あなたはあなたの食べたものでできている」は有名な言葉ですが、当院では「あなたはあなたが食べて、消化できたものからできている」とお伝えしています。内視鏡で胃粘膜を見ることで胃の健康度がわかります。消化できなければ栄養は吸収されまず便にスルーです。
土曜日の胃カメラ検査
平日お仕事や子育てでお忙しい方にも検査を受けていただけるよう、当院では土曜日の胃カメラ検査を行っております。時間が無くて検診を受けられていない方にも検査を受けていただきたいと考えておりますので、これまで機会を逃してしまっていた方は是非当院までご相談下さい。
胃がん検診のご予約の方法
1受診場所を決める
福岡市での胃がん検診は以下の3種類から受診場所をお選びいただけます。
- 市の施設等
- 健康づくりサポートセンター
- 医療機関
2直接医療機関にお電話/Webからのご予約
福岡市の施設等
各施設の実施日やその他詳細については、【こちら】からご確認下さい。
健康づくりサポートセンター
【こちら】からご希望の日程と空き状況をご確認いただき、お電話でご予約下さい。
医療機関
当院HPの【Web予約】または、直接お電話で「胃がん検診の予約」の旨をお伝えください。
電話番号:092-805-1380
胃がん検診の検査結果について
検査結果はおおむね3週間程度でお渡しいたします。
結果によって、より詳しい診察が必要であると判断した場合は、当院より直接ご連絡させていただく場合がございます。
大腸がん検診
下記の症状やお悩みがある方は、大腸がん検診を受診しましょう
- 血縁者で大腸がんの方がいらっしゃる
- 飲酒が好き
- 赤身肉や加工肉をよく食べる
- 肥満気味である
- 喫煙者
- 真っ黒の便が出る
- 便に血が混じっている
福岡市では、40歳以上の市民の方を対象に大腸がん検診を行っています。大腸がん検診では、「便潜血検査(2日間採取)」を行います。便潜血検査とは検便と呼ばれるもので、検診前に2日分の便を採取していただき、便に血液の混入があるか観察することで大腸がんやその他の病気の可能性を検査します。また、検査結果により「要精密検査」となった場合は「大腸カメラ(下部内視鏡)検査」を受けていただくことを推奨しております。
便潜血検査
便の中に人間の目では確認できないレベルの少量の出血を調べる検査です。がんやポリープは正常組織に比べると出血しやすいためです。出血がないかどうかを確かめる検査ですので直接がんやポリープができているかがわかるわけではありません。精密検査(大腸カメラ)でどんな異常が起きているのか調べる必要があります。
便潜血検査で陽性となった場合疑われる病気
- 大腸がん
- 過敏性腸症候群
- 大腸ポリープ
- 虚血性大腸炎
- 大腸憩室炎
- クローン病
など
大腸カメラ検査(便潜血検査で異常を指摘された方へ)
大腸カメラ検査とは、肛門からスコープを挿入し、大腸内を直接観察する検査です。肛門からスコープを挿入することに羞恥心や抵抗感を感じられる方も多いかもしれません。当院では鎮静剤の使用や院内下剤など患者様の検査へのストレスを減らすためにさまざまな工夫を施しております。
受診頻度
1年に1度受けていただく検査となっております。
対象者
- 福岡市在住で40歳以上の方
※痔出血や生理中の方は便の採取をお控えください。
費用
費用 | |
---|---|
医療機関 | 500円 |
健康づくりサポートセンター | 500円 |
市の施設等 | 500円 |
大腸がん検診のご予約の方法
1受診場所を決める
福岡市での大腸がん検診は以下の3種類から受診場所をお選びいただけます。
- 市の施設等
- 健康づくりサポートセンター
- 医療機関
2直接医療機関にお電話/Webからのご予約
福岡市の施設等
各施設の実施日やその他詳細については、【こちら】からご確認下さい。
健康づくりサポートセンター
【こちら】からご希望の日程と空き状況をご確認いただき、お電話でご予約下さい。
医療機関
当院HPの【Web予約】または、直接お電話で「大腸がん検診の予約」の旨をお伝えください。
電話番号:092-805-1380
大腸がん検診の検査結果について
便潜血検査で「陽性」となった場合は次に精密検査として「大腸カメラ(下部内視鏡)検査」の受診をお勧めしております。当院では大腸カメラ(下部内視鏡)検査の予約も受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。
また、「陰性」であった場合は、精密検査を受けていただく必要はございませんのでご安心ください。
結果によって、より詳しい診察が必要であると判断した場合は、当院より直接ご連絡させていただく場合がございます。