
SIBOの原因
・腸の動きの低下
腸の動きが低下する原因は糖尿病などの生活習慣病やホルモン異常をきたす病気、自己免疫疾患、感染症、自律神経の不調など様々な背景で動きが低下します。
・胃酸不足
胃酸にはタンパク質の消化以外に、食べたものを酸で殺菌する役割もあります。胃酸不足があると殺菌が不十分となり小腸で菌が増殖しやすくなります。
胃酸不足の原因
慢性胃炎(ピロリ菌感染)による胃酸を作る細胞の破壊
栄養不足(胃酸を作る材料不足、蛋白、鉄、各種ビタミン、ミネラル等の不足
・腸内細菌叢(腸内フローラ)の異常(ディスバイオーシス)
腸内フローラが乱れて悪性細菌が増殖することをディスバイオーシスといいます。ディスバイオーシスが強くなると細菌が小腸へ侵入してSIBOの原因となります。
・生活習慣の乱れ、慢性的なストレス
砂糖や化学調味料満載の食事は腸内フローラを乱します。睡眠不足は寝ている間行われる腸内フローラの立て直しができなくなります。慢性的なストレスは免疫を下げて腸内フローラが乱れ、自律神経の働きを低下させるため腸の動きが悪くなります。
・内服薬
代表的なのは胃酸分泌を抑制する薬です。逆流性食道炎や胃潰瘍の治療に使われますが、漫然とした使用はSIBOの原因となります。その他抗うつ薬や抗生物質も原因となります。
・副腎疲労
慢性的なストレス、慢性炎症(上咽頭炎、脂肪肝、腸内フローラ異常)は副腎からのコルチゾールを大量に消費し副腎疲労へと進展します。副腎疲労になると免疫力が低下しSIBOを引き起こします。お腹が張る人みられる他の症状として慢性疲労、ブレインフォグ、低血糖など副腎疲労に見られる症状があります。
SIBOの診断
・呼気検査
糖質を摂取した後、時間ごとに息を採取します。呼気の中の水素ガスとメタンガスを測定することで診断します。水素ガス、メタンガスの上昇のパターンで細菌が増殖している場所が小腸なのか大腸なのか推定できます。
・尿有機酸検査
尿中の特定の有機酸の上昇で腸内の細菌の異常増殖がわかります。呼気検査と違って増殖の場所が小腸なのか大腸なのかは特定できません。
・画像検査
画像検査で明確な診断方法は確立されていませんが、当院ではSIBOを疑う患者さんには腹部レントゲン検査を診断の補助として行っております。
<SIBO症状が無いレントゲン画像>
<SIBO症状のあるレントゲン画像>
症状:食後の強い膨満感、げっぷ
黒い部分がガスです。上の画像に比べて下の画像はガスが多いのが分かります。
治療は次回の記事で説明します。