胃カメラ

胃カメラとは

胃カメラは口から食道、胃、十二指腸までを高性能のカメラで観察する検査です。鼻から入れる場合には上咽頭という鼻の裏側も観察することができます。

カメラの画像は人間の目で見るよりはるかに大きく、きれいに見えるので粘膜の状態から腫瘍の診断まで多くの情報が得られる検査です。毎年会社や自治体の検診で受けている方も多いと思いますが、実際には受けるべき人口の40%ほどしか受けておらず、毎年胃がんで命を落とす方も少なくありません。

当院では最新の鼻からも入る細い内視鏡を用いますのでご希望のルートで検査が可能です。鎮静剤を使用し苦痛のない検査を心がけています。予約制ですが、当日に検査の余裕があればできる限り対応したいと考えております。

私が医師になった20数年前と比べると、カメラも細くなり、鎮静剤の使用も一般的となっておりますので「胃カメラ=苦しい検査」は過去のものとなっていますので安心してお受けいただけます。

がん以外にも多くのことがわかります

胃は主にタンパク質を消化する臓器です。胃の消化力が弱いと、消化しきれなかったタンパク質がそのまま腸に入ります。

未消化のタンパク質は吸収できませんから腸の悪玉菌のエサになってしまいます。「お肉が嫌い」「お肉を食べるともたれる」「お腹にガスがたまる、ゲップが多い」「便通が悪い」そんな人は胃の消化力が弱いのかもしれません。

そんなお悩みの方にも胃の検査をお勧めしています。胃の消化力もカメラで粘膜の状態を見ればわかります。

このような方は胃カメラ検査をおすすめします

当院の胃カメラ検査の特徴

1. 鎮静剤を使用した胃カメラ検査

当院では、鎮静剤を使用して「ウトウトとリラックスした状態」で胃カメラ検査を受けられます。

鎮静剤を使用した胃カメラ検査

胃カメラ検査は「辛い・苦しい」ネガティブなイメージも持たれがちですが、その要因は以下の3点であると考えられます。

  1. カメラがのどを通過する際に「オェッ」としてしまう(咽頭反射)
  2. カメラによるのどの違和感やスコープの圧迫感
  3. 胃が空気で膨らむときに感じる膨張感や痛み

この3つの「辛い・苦しい」の要因を鎮静剤を使用することによって軽減することが出来ます。皆様が感じる胃カメラの「辛い・苦しい」をしっかりと把握し、できる限りの改善、サポートができるよう尽力しております。

鎮静剤を使用した胃カメラ検査のメリットと注意点

メリット 注意点
  • 咽頭反射が少ない
  • スコープの圧迫感による腹痛が少ない
  • スコープの挿入や観察をスムーズに行うことができる
  • 苦痛が無いため時間をかけて観察できるため、より正確な検査を行うことができる
  • 鎮静剤使用後、目が覚めるまでに時間を要するため、すぐに帰宅することができない
  • 検査後、患者様ご自身で車やバイクなどを運転することができない

2. 経鼻内視鏡検査

経鼻内視鏡検査では鼻から内視鏡スコープを挿入します。スコープが喉を通る際に舌に触れずに挿入すると咽頭反射が出にくいのが特徴です。
また上咽頭(鼻の後ろ)の観察ができるのも経鼻内視鏡の特徴です。

メリット

  • 咽頭反射がおこりにくい
  • 軽い局所麻酔だけで検査を受けることができる
  • 検査中に医師と会話をすることができる
  • 鎮静剤を使用しないため、車で来院できる
  • 鎮静剤を使用しないため、検査後の安静時間がいらない

注意点

  • 鼻腔が狭い方はカメラが入らない場合がある
  • 稀に鼻から出血することがある

3. 内視鏡専門医による胃カメラ検査

当院では、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医である院長が内視鏡検査を行っています。豊富な経験で培った高度な技術と豊富な知識で質の高い胃カメラ検査を行っております。丁寧な検査と結果説明を行いますので、安心して検査を受けて頂けます。

4. 土曜日の胃カメラ検査

患者様の病気の早期発見、治療のために、1人でも多くの人に内視鏡検査を受けて頂けるよう、当院では土曜日の胃カメラ検査を実施しています。平日はお仕事や子育てで忙しくなかなか検査が出来ない方も検査の必要性は同じです。「検査を受けたいけど、時間が無い」と機会を失っている方は、是非当院までご相談下さい。

胃カメラ検査で分かる病気

胃カメラ検査は食道から胃までを直接観察し、以下のような病気の診断をすることが出来ます。

  • 食道がん
  • 食道ポリープ
  • 逆流性食道炎
  • 胃がん
  • 胃ポリープ
  • 胃炎(急性・慢性)
  • ヘリコバクター・ピロリ菌感染
  • 胃潰瘍
  • 胃アニサキス症
  • 十二指腸がん
  • 十二指腸ポリープ
  • 十二指腸炎
  • 十二指腸潰瘍

など

逆流性食道炎

逆流性食道炎とは、胃酸が食道に逆流することで、食道粘膜に炎症を起こす疾患です。日本人には少ない病気であるとされていましたが、食文化の欧米化で食生活が変化したことやストレスなどが原因となり、最近逆流性食道炎を発症する患者さんが増加しています。直接死に関わる病気ではありませんが、胸やけや呑酸などの症状があるため、日々の生活に支障をきたす疾患です。

逆流性食道炎

胃・十二指腸潰瘍

胃・十二指腸潰瘍とは、強酸性の胃液によって粘膜が障害を受け消化されてしまう疾患です。主な自覚症状としてはかるい胃もたれ、むかつきから強い痛みまで幅広く、主にヘリコバクター・ピロリ菌の感染が原因で起こります。ひどい場合には出血を伴い吐血(血を吐くこと)、下血(血液の便)が起こり生命の危険を伴うこともあります。治療は酸分泌抑制薬や胃粘膜保護剤の投与とピロリ菌の除菌治療です。

萎縮性胃炎(ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎)

萎縮性胃炎とは、主にピロリ菌が原因で起こる慢性の胃炎です。免疫の不安定な幼児期(〜5歳ごろまで)に感染すると免疫で排除できず慢性感染に移行します。

20歳ごろになると胃炎が強くなり胃もたれ、膨満感、胃痛など様々な症状が出現しますが、無症状という方もたくさんいます。

胃酸から身を守るために出すアンモニアや毒素によって胃の粘膜が障害を受け胃酸を分泌する細胞が破壊されてしまい、粘膜が薄くなってしまう状態を萎縮と呼んでいます。

胃がんの98%はピロリ菌感染が原因であり、胃がんの予防のためにも早めの診断と除菌治療が推奨されています。また萎縮性胃炎により胃酸分泌が低下するため胃の消化力が低下します。タンパク質の消化ができない。ミネラル、ビタミンの吸収ができないことから様々な不調が起こります。

胃ポリープ

胃ポリープとは、正確には病名ではなく、「いぼ」のように膨らんだ形状のものが胃の粘膜にできた状態のことを言います。自覚症状はほとんどないので、健診などで初めて知ることが多いです。胃ポリープと言っても、特に治療が必要のないものもありますが、ピロリ菌感染が疑われる場合は、胃ポリープ以外にも胃がんができる可能性があるので、年1回の胃カメラ検査をお勧めしています。

食道・胃・十二指腸のがん

食道・胃・十二指腸のがんとは、それぞれ粘膜内の細胞が悪性腫瘍(がん細胞)に変化し発症する疾患です。どれも初期症状はほとんどなく、自覚のないまま進行がんになるケースが多くあります。特に胃がんはがん死亡数の中でも女性5位、男性2位(2020年)と非常に多くの方が亡くなられる原因となっています。しかし、これらのがんの多くは胃カメラ検査での早期発見が可能です。

胃がん

胃カメラ検査の流れ

1受診して予約

事前診察

胃カメラが必要かどうかわからない場合、まずは受診いただき診察を受けましょう。

診察した後、医師が患者様に合った内視鏡検査を提案して、検査の内容や検査前の食事に関する注意点について説明します。説明後、患者様に検査の同意を頂けましたら検査予約をして頂きます。

※多数のお薬を飲まれている方は事前受診をおすすめします。服薬状況を確認して検査前日、検査当日の休薬についてご説明致します。お薬手帳を持参ください。

WEB予約(事前診察が不要な方むけ)
  1. ホームページのWEB予約から診療メニューの胃カメラ検査を選び希望の検査日を予約してください。
  2. 予約が確定しましたら問診に回答するをタップして問診の入力をお願いします。
  3. 検査当日は予約時間の15分前に受付を済ませてください。

※問診内容によっては当院からメールやお電話をさせていただく場合がございます。

2検査の前日

検査前日の夕食は消化の良い食べ物を21時までに食べ、それ以降は絶食してください。飲み物は、水や薄いお茶などの糖分の含んでいないものを飲んで下さい。

3検査の当日・ご来院

検査当日の朝は絶食です。検査が始まる1時間前でしたらお水や薄いお茶などの透明なお飲み物であればお飲みいただいても構いません。
※検査当日は、予約の15分前には受付を済ませてください。
※事前診察の際に、現在服用しているお薬に関して説明があった方は、指示された通りに服薬・休薬してください。
※鎮静薬をご希望の方はご自身で運転するお車やバイクでのご来院はご遠慮ください。

4検査

はじめに、胃の中の泡を消すため、泡消剤を服用していただきます。

経口内視鏡検査の場合は、以下の流れで検査を始めます
  1. 1.喉に麻酔のスプレーをする
  2. 2.マウスピースを口にくわえる
  3. 3.鎮静剤を使用する場合は、鎮静剤を投与する
経鼻内視鏡検査の場合は、以下の流れで検査を始めます
  1. 鼻の奥に出血を防止するスプレーを噴霧する
  2. スコープと同じ太さのチューブを鼻に挿入し、鼻の通りを確認する

検査は10分程度で終了します。
ただし、検査中に詳細な検査が必要なあると判断した場合は組織の採取を行います。

5検査終了

鎮静剤を使用した場合は、検査後にリカバリールームにて休んでいただきます。個人差はありますが約30分〜60分ほどお休みいただきます。鎮静剤を使用しない経口内視鏡検査や、経鼻内視鏡検査の場合は、検査後すぐに医師から結果の説明があります。

6検査結果の説明

診察室で検査中に撮影した画像をご覧いただきながら医師が丁寧に結果を説明いたします。検査中に医師が更に詳しい検査が必要であると判断し組織採取を行った場合には、病理検査に2週間ほどお時間がかかります。2週間後に再度受診いただき結果をご説明致します。

7ご帰宅

検査後、1時間は飲食を控えて下さい。少量の水から飲みはじめ、むせたりしないかを確認してください。検査中に組織採取をした場合は、検査翌日と翌々日まで激しい運動や飲酒をお控えください。

胃カメラ検査の費用

  1割負担 3割負担
胃カメラ検査 約2,000円 約6,000円
胃カメラ検査+病理検査 約3,000円 約9,000円
胃アニサキス除去(内視鏡的異物除去術) 約5,000円 約15,000円
福岡市胃がん検診 1,800円 1,800円
自費胃カメラ検査 13,000円 13,000円

定期的に胃カメラ検査を受けましょう

胃カメラ検査は胃がんなどのリスクの高い病気の早期発見に非常に有効な検査です。会社や自治体の検診で胃カメラ検査を受けられている方も多いと思いますが、実際には受けるべき人口の40%ほどしか受けておらず、毎年胃がんで命を落とす方も少なくありません。

ピロリ菌がいた方は毎年。ピロリ菌の感染歴がない方は2年おきの胃カメラ検査が推奨されています。

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