
こんにちは。院長です。
季節の変わり目になるとお腹の調子をくずす方が増えてきます。
腸にいいことしてますか?
ギリシャの哲学者で医者でもあるヒポクラテスも「全ての病気は腸から始まる」と言っています。腸は健康のスタート地点です。
腸を元気にるするためには「腸内細菌」と「腸粘膜」を元気にすることが大切です。
今回は腸内細菌についてお伝えしたいと思います。
腸は食べ物の消化と吸収、代謝の調節、免疫の調節などたくさんの働きがります。この腸の働きにかかせないのが腸内細菌です。
腸の中には細菌が1,000種類、1,000兆個もいるといわれ、人間の細胞の数(大体36兆個)をはるかにしのぐ数で「もう一つの臓器」とも言われています。臓器ですから腸内細菌の元気がないと健康に大きなダメージをもたらします。
腸内細菌叢の役割
バリア
必要なものは吸収し、異物は吸収しない。腸は非常に複雑な役割があります。腸には3つのバリア機能が備わっていて、腸内細菌はその最初のバリアを担当しています。
腸内細菌が元気でないと体に悪いものが体内に入りやすくなってしまいます。
免疫の司令塔
腸には免疫細胞のおよそ80%が常駐しています。
免疫細胞は食べたものから身体に必要なものを吸収し、身体に有害なものを排除するという選別を行なっています。さらに食べ物に付着している細菌やウイルスなどを認識して全身の免疫細胞と連携をとって感染から身を守っています。
つまり免疫の司令塔が腸に常駐しているのです。この免疫の連絡網がおかしくなることがアレルギーや自己免疫病の発症の一つの原因となっています。
代謝の調節(短鎖脂肪酸を作る)
人間は食物繊維を消化する酵素を持っていません。実は腸内細菌が食物繊維の消化をしてくれているのです。腸内細菌は食物繊維分解し短鎖脂肪酸を作ります。
作り出される短鎖脂肪酸は
①腸内を酸性化し悪性菌が増えるのを防いでいます。前述したバリア機能ですね。
②短鎖脂肪酸のなかの酪酸は腸粘膜のエネルギー源となっており、腸での水分の吸収に影響しています。
腸粘膜のエネルギー不足が起こると消化・吸収、免疫作用すべての力が低下してしまいます。
③短鎖脂肪酸がエネルギー代謝をコントロールしています。
腸内細菌が元気なく短鎖脂肪酸が少ないと代謝が上がらず痩せにくい体になってしまいます。「腸活で痩せましょう」の理由はこの代謝の調節が働くからなのです。
腸内細菌は健康にとって欠かせない存在です。下痢や便秘、腹痛といった困り事がある時だけ腸の事を考えるのではなく、毎日腸のことを考えて腸にいいことをしていきましょう。
次回、腸内細菌を元気にする生活習慣についてお伝えしますね。