
腸活がうまくいかない原因②
あなたの胃、ちゃんと消化できていますか?
①では腸に悪いものを食べ続けていませんか?というお話でした。
腸活がうまくいかない人の特徴の2番目は「胃の消化力」です。
胃の役割
胃の役割は大きく2つ
・タンパク質の消化
・食べ物に付着した菌の殺菌
です。
胃はペプシンというタンパク分解酵素を出してタンパク質の1次消化を行います。ペプシンはペプシノーゲンという前駆体が胃酸による強酸性(pH1-2)の環境でペプシンとなり消化力を発揮します。胃で1次消化をうけたタンパク質は十二指腸で膵液によりさらに消化され最終的に小腸粘膜でアミノ酸、もしくはペプチド(アミノ酸が2、3個の状態)まで小さくなり吸収されます。
消化力が低いと腸内環境が悪化する
胃の消化力が低いと大きなままのなタンパク質が腸に移動しますが、腸ではアミノ酸やペプチドの状態まで消化されていないと吸収できません。吸収できないタンパク質は腸内細菌による発酵を受けアンモニアなどの毒性のあるガスが作られます。また、胃酸分泌が低いと食べ物に付着した菌の殺菌が不十分なため腸で菌の増殖を許してしまいます。
未消化タンパクと殺菌されなかった付着菌が腸内環境を悪化させます。
消化力を左右するのは?
胃の消化力が低いかもと疑う症状
・食後にお腹が張る
・ゲップが多い
・オナラが臭い
胃の消化力が低い人の特徴
・低タンパク
ペプシンは酵素なのでタンパク不足があると分泌が不十分となります。採血で総蛋白やアルブミン値が低い、尿素窒素(BUN)が低い(特に10以下)場合は消化酵素が足りないと考えます。自費ですがペプシノーゲン値を測ることもお勧めです。
・ヘリコバクター・ピロリ菌の感染もしくは治療歴がある
ピロリ菌感染によって胃炎が起こると胃酸やペプシンを分泌する細胞が破壊されます。胃炎が長く続くと胃粘膜に萎縮という変化が起こり分泌細胞の数がへってしまい消化力が不十分となります。一度減った細胞は再生しないためその後はずっと消化力が低いままとなります。
・酸分泌抑制薬を飲んでいる
逆流性食道炎の治療や他の薬による胃粘膜障害予防のため酸分泌抑制薬を長期に飲んでいる場合、胃酸不足のため消化不良になります。
・慢性のストレスがある
ストレス下では一時的に胃酸分泌が過剰となりますが、ストレスが長く続くと胃酸分泌が低下します。
・加齢
もともと日本人は胃酸分泌量が少ない民族です。代謝がおちてくる40代以降は健康な方でも消化力低下が認められます。
胃の消化を助ける方法
・お酢や梅干しなど酸っぱいものを食べる
食前にりんご酢を飲んだり、献立に酢の物を入れたり梅干しを食べたりします。
・消化酵素を含む食材を食べる
大根おろしやキャベツなどにはタンパク消化酵素が含まれています。またパイナップルにも消化を助ける酵素がふくまれています。
・消化酵素剤を服用する
消化酵素剤を使用するのも一つの手です。薬局で購入もできますし、診断がつけば病院で処方も可能です。サプリメントもたくさん存在し、胃酸サプリから複数の消化酵素が入っている優れたものもあります。
以上腸活がうまくいかない人は胃の消化が悪いかも?というお話でした。