
逆流性食道炎は胃の内容物が食道に逆流して胸焼け、呑酸、口の中の苦味などを引き起こす疾患です。
治療には主に胃酸の分泌を抑える薬が使われるため、「胃酸」が悪者のように思われていますが・・
実は胃酸が少ない逆流性食道炎、けっこう多いって知ってますか?
日本人はそもそも欧米人と比べて胃酸の分泌量が少ない人種です。さらに日本人に多いピロリ菌感染や加齢によって胃酸の分泌量はさらに少なくなります。
食事の欧米化で胃酸がたくさん必要な高たんぱく、高脂肪食が増えました。胃酸が少ないため消化に時間がかかります。食べ物の胃内停滞時間も長くなります。停滞時間が長くなると胃の内圧も上昇し逆流しやすくなります。
胃酸が少ないと食べ物に付着した菌の殺菌も不十分になります。小腸内に菌が増えるとSIBO(小腸内細菌異常増殖症)になります。未消化の食事が小腸で菌による発酵を受けるとガスが大量に発生します。そのガスが胃に逆流し症状を引き起こします。
逆流性食道炎の治療はH2ブロッカーやプロトンポンプインヒビターといった酸を抑制する薬が基本です。胃酸が少ないといっても症状を引き起こすには十分酸性です。一時的に症状は治まります。でも、もっと胃酸が出なくなります。
何が起こるかわかりますよね?
胃酸不足→消化不良→腸の細菌増殖→腸に炎症が起こる→栄養の吸収が悪くなる→低栄養になる
逆流性食道炎の薬、長く飲み続けている方は一度ご相談ください