「最近、なんだかおなかがすっきりしない。」
「便秘が続いているけど、何が原因か分からない。」
「野菜はしっかり食べていると思うんだけど・・・。」
そんな悩みを抱えている人は少なくありません。
実は、腸の動きは鈍くなる原因は、日々の食生活や栄養バランスに深く関係しています。
腸は私たちの体の健康において重要な役割を果たしていますが、ちょっとした栄養の不足や生活習慣の乱れがその働きを妨げてしまうことも。
今回は、食生活や栄養バランスの視点で腸の動きを悪くする栄養的要因について解説していきます。
腸内環境を整え、快適な毎日を手に入れるためのヒントを一緒に探してみましょう。
●貧血
貧血になることで、身体が酸素不足やエネルギー不足を感じ、消化器官の活動が低下し、便秘を引き起こしやすくなります。
・酸素不足
血液中の酸素を運ぶヘモグロビンは不足する状態で、身体全体に酸素が十分に供給されなくなります。
これにより腸の働きも低下し、腸の動きが鈍くなることがあります。
・エネルギー不足
身体がエネルギー不足になると、消化器系を含む全身の筋肉が弱まり、腸の蠕動運動が低下します。
鉄は、TCA回路というエネルギー代謝を回すのに重要なミネラルの一つです。
鉄不足により便が腸をスムーズに移動せず、腸の動きが悪くなったり便秘を起こす原因となる可能性があります。
・対策
貧血の指標であるヘモグロビンは、ヘム=鉄と、グロビン=タンパク質がくっついたものです。
鉄分を多く含むレバーや小松菜、卵などを意識することはもちろんですが、「タンパク質を毎食しっかりとれているか」も重要です。
●低血糖
低血糖は、貧血同様エネルギー不足の状態です。
体を動かすことや思考するなど生きるためのエネルギーが優先となり、腸の動きへ回すエネルギーが不足するため結果的に便秘などにつながりやすくなります。
・対策
①欠食しない ②主食を抜く糖質制限をしない ③補食(おにぎり・スープ・卵など)を摂る
●マグネシウムの不足
マグネシウムは、筋肉の収縮を助け、腸の動きを促進するミネラルです。
不足することにより腸の動きが鈍くなることがあります。
・対策
①糖質(特にお菓子)の過剰摂取をしない
②エプソムソルトで入浴する
③にがりを使う
④海藻類を摂る
●食物繊維の不足
耳タコですが、やはり「食物繊維」は大切です。
食物繊維は腸の蠕動運動(腸の動き)を助け、便を形成する役割があります。
食物繊維が不足すると腸内の便が固くなり便秘につながります。
・対策
①毎食1-2品の野菜料理を食べる
②具だくさんみそ汁を食べる
③ごはんに雑穀などを加える
●水分不足
こちらも基本ですが、やはり重要です。水分が不足すると腸内の便が固くなり便秘を引き起こしやすくなります。
・対策
①1-1.5L程度の水分を摂る
②500mLのペットボトルを2本飲むなど飲んだ量を見える化する
③コーヒーや緑茶を常飲している場合は、頻度を減らす
ご自身の食生活を振り返って、当てはまるパターンはありましたか?
まずは、そうかも!と気づき、知ることが大切です。
腸内環境を整え、快適な毎日を手に入れていきましょう。
宮本内科胃腸栄養クリニック🍴管理栄養士