栄養療法では採血データや尿有機酸検査、オリゴスキャンなど様々な検査データの情報からたくさんのことがわかりますが、髪の毛や爪、歩き方などの見た目や話し方などもとても大切な情報の一つです。
 
その中でも今回は、「爪」からわかる栄養状態についてお話しします。
 

そもそも、爪が栄養と関係あるの??

私たちの身体は、栄養を優先順位の高い所から使って行きます。賢いですよねー。

脳や心臓など命に関わる臓器から優先的に使われ,爪や髪、肌など優先度が低い場所は後回しにされるため、栄養状態の推測をしやすい!というわけです。

 

末端まで使うくらい足りているかを見るということです。

何か兆候があれば、
あ!ここまで栄養使う余裕がないのかもしれない。という事がわかります。

「最近、爪に白い斑点がある」
「なぜか爪が反り返っている」
「爪がよく割れる」
など、気になる症状がある方は必見です!

「健康の鏡」とも言われる爪をヒントに体の健康を見直すきっかけを作りましょう!

 

爪の栄養状態チェックリスト

   
以下のチェックリストを使って、自分の爪の健康状態や栄養バランスをセルフチェックしてみましょう。

【爪の見た目と状態】

□爪が割れやすい・薄い
 → 鉄分不足、タンパク質の不足が考えられます。

□爪に白い斑点がある
 → 亜鉛不足、または小さな外傷による可能性。 

□ 爪が縦に筋状に盛り上がっている
 → ビタミンB群や水分不足が関与。

□ スプーン状の爪(爪が反り返る)
 → 鉄欠乏性貧血の可能性。

□ 爪の色が青白い
 → 貧血や酸素不足の可能性。

□ 爪が黄色く変色している
 → ビタミンE不足、または真菌感染の可能性。

□ 爪が縦割れする
 → タンパク質不足、乾燥、または爪の過度な負担。

 
【周囲の皮膚の状態】
 

□ ささくれが頻繁にできる
 → ビタミンCや鉄不足の可能性。

□ 爪の周囲の皮膚が赤く腫れている
 → 栄養不足による免疫力低下。

 
【爪の成長速度】

□ 爪が伸びるのが遅い
 → タンパク質やエネルギー不足。

 

 

対策・見直しポイント 

  
 
不足の代表的なものをピックアップ。
ご自身の症状にあてはまる不足しやすい栄養素を見つけて食生活を見直してみて下さい。
 
●タンパク質不足
タンパク質不足の方は、
□毎食肉、魚、卵などを食べているかの食事の見直しを。食べている場合は、量が少なくはないか(一食につき片手のひら1枚程度)確認
 
□腸内環境を良好に(悪いと吸収不良)。便は毎日1-2回。
 
●鉄不足
□鉄を多く含む食品(レバー、小松菜、高野豆腐等)を摂取する
 
□タンパク質不足やピロリ菌の感染などによる胃酸不足がないか確認・

ご自身の食事を見直すのはもちろん。
胃の検査をしてみるのもいいかもしれません。

 
●亜鉛不足
□亜鉛を多く含む食品(牡蠣、牛肉、卵、切干大根等)を摂取する
 
□糖質過多な生活をしない(血糖コントロールに亜鉛が必要)
 
 
その他、体内の亜鉛の需要が高い(妊婦や授乳婦、過度なストレス)などがあります。

亜鉛は、糖質の過剰摂取でも消費量が増えます。
亜鉛を含む食品を意識しつつ、糖質の摂取量やストレス対策の見直しをしてみましょう。

 
●ビタミンB不足
□ビタミンBを多く含む食品の摂取(豚肉、ささみ、赤身の魚など)
□朝ごはんにパン、昼は麺など糖質に偏りやすい食事をしていないか確認
 
□低血糖がなく安定した血糖コントロールできている
 

ビタミンB群の消費が激しくなるような糖質方な食生活(特に白砂糖を含むお菓子など)、低血糖はないか(詳しくはこちら)、を見直して見てください。

●エネルギー不足

□3食食べていますか?欠食はないですか?

 ごはん、肉・魚、野菜この三つをそろえた食事をとるよう心がけましょう。
 
□腸内環境は良好ですか?食べていても消化吸収が悪いパターンもあります。
 
□頭の中で常に考え事をしていませんか?思考もエネルギーを消費します。

意外と食事って、「食べているつもり」な人が多いです。

ご自身の必要な食事量などが分からない場合は、ぜひご相談ください。
 

いかがでしたか?
加齢や元々の体質などと諦める前にできることは沢山ありそうですね(^^)

爪を観察することで、自分の体調や栄養状態を手軽にチェックできます。

毎日のケアと食生活の改善で、健康な爪と体を手に入れ、やりたい事をやれる自分でいましょう!

宮本内科胃腸栄養クリニック 管理栄養士🍴